不用品回収業者のトラックや看板に「古物商許可」という表示を見かけたことがあるかもしれません。
これは不用品を回収するための許可ではなく、別の目的で取得する許可です。
この記事では、古物商許可が何のための許可なのか、不用品回収に必要な他の許可とどう違うのかを整理します。
業者選びで許可の表示を確認したいときの参考にしてください。
「古物商許可」とは何の許可か
古物商許可は、中古品などの古物を仕事として売買するために必要な許可です。許可を出すのは市区町村ではなく、営業所を管轄する警察署です。
不用品回収そのものではなく、回収した物を買い取って再び販売する行為に対して必要になります。
不用品回収で必要になる許可は2種類あります
不用品回収に関わる許可は、目的によって大きく2つに分かれます。
家庭ごみを回収するための「一般廃棄物収集運搬業許可」
家庭から出る不用品は、法律上「一般廃棄物」として扱われます。
これを回収して運ぶには、市区町村が出す一般廃棄物収集運搬業許可か、市区町村からの委託が必要です。
この許可がない業者が家庭ごみを回収すると、廃棄物処理法違反になります。
買い取った品物を転売するための「古物商許可」
一方、回収した家電や家具などを買い取って販売するには、古物商許可が必要です。許可を受けずに古物の買取・販売を業として行うと、古物営業法違反にあたります。
罰則は3年以下の懲役または100万円以下の罰金で、情状によっては両方が科されることもあります。
なぜ「無料回収」のはずが買取もできるのか
「無料回収」をうたう業者の中には、価値のある家電や貴金属だけを買い取り、残りは処分費として請求する業者もあります。
この場合、買取の部分には古物商許可が、処分の部分には一般廃棄物収集運搬業許可が、それぞれ必要です。
古物商許可だけを掲げて「何でも無料で回収します」とうたう業者は、ごみの回収自体が許可のない状態になっている可能性があります。
古物商許可の取得にはどのくらいかかるか
古物商許可は、営業所を管轄する警察署の生活安全課(防犯係)に申請します。
申請から許可が下りるまでには、目安として40日程度かかるといわれています。
訪問したその場で即日買取まで行う業者の場合、事前に許可を取得済みかどうかが見極めの一つの目安になります。
無許可で営業している業者に依頼するとどうなるか
許可のない業者に依頼すると、回収した不用品がそのまま不法投棄されることがあります。
エアコンや冷蔵庫などを適切な処理施設を通さずに解体すると、フロンガスや鉛などが環境中に漏れ出すおそれもあります。
回収後に家電などを野積みにして放置し、火災につながった例も報告されています。
「無料」のはずが、トラックに積み込んだ後で高額な料金を請求されるトラブルも起きています。
遺品整理や引っ越しの不用品回収でも関係するのか
遺品整理や引っ越しの不用品回収でも、着物やブランド品、貴金属などを買い取ってもらうことがあります。
この場合も、買取の部分には古物商許可が必要になる点は同じです。
遺品を手放す決断に迷いがあるときは、その場で無理に即決せず、日を改めて相談する形でも問題ありません。
すでに依頼した後で不安になった場合
回収や買取を依頼した後になって、許可の有無が気になり始めることもあります。
その場合は、消費者ホットライン「188」に電話すると、お住まいの地域の消費生活センターなどの窓口を案内してもらえます。
料金トラブルに発展している場合は、見積書や領収書、やり取りの記録を残しておくと、相談先での説明がしやすくなります。
業者を選ぶときに確認したいポイント
業者のサイトや見積書に、一般廃棄物収集運搬業許可の番号や委託元の自治体名が書かれているか確認します。
買取もあわせて行う場合は、古物商許可の番号もあわせて表示されているかを見ておくと安心です。
料金の説明が「処分費としてまとめて」など曖昧な場合は、内訳を具体的に質問してみてください。
よくある疑問
無料回収のチラシや看板だけで判断してもよいか
無料回収とだけ書かれたチラシやトラックの看板は、許可の有無までは分かりません。
気になる場合は、電話やサイトの問い合わせで許可番号を聞いてみると安心です。
許可番号は自分で確認できるか
一般廃棄物収集運搬業の許可業者は、多くの自治体がホームページで一覧を公開しています。
古物商許可については警察への確認が基本ですが、まずは業者のサイトや見積書の記載を確認するところから始めると負担が少なく済みます。
複数の業者から料金や許可の有無を比較したい場合は、無料の一括見積もりサービスを利用すると手間を減らせます。
まとめ
古物商許可は、不用品そのものを回収するための許可ではなく、買い取った物を販売するための許可です。
家庭ごみの回収には別に一般廃棄物収集運搬業許可が必要で、どちらが欠けていても違法な営業になり得ます。
依頼する前に、業者がどちらの許可を持っているかを確認しておくと、トラブルを避けやすくなります。


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