親が施設に入ったり、亡くなったりしたあと、実家が空き家のままになることは珍しくありません。
遠方に住んでいると、片付けのために何度も足を運ぶだけでも大変です。
仕事や自分の家庭のことで手一杯で、実家までなかなか手が回らないという方も多くいます。
「そろそろ片付けなければ」と思いながらも、何から始めればよいのか分からないことがあります。
時間だけが過ぎてしまうのは、誰にでも起こりうることです。
この記事では、実家が空き家になったときにかかる片付け費用の目安について解説します。
あわせて、後悔しないための業者の選び方も紹介します。
実家を空き家のままにしておくとどうなるか
片付けが進まないまま実家を空き家にしておくと、いくつかの問題が起こりやすくなります。
建物は人が住まなくなると、老朽化が早く進むといわれています。
換気や通水がされないことで、湿気やカビ、害虫の発生にもつながります。
庭木が伸び放題になったり、郵便物がたまったりすると、近隣の方の目にも留まりやすくなります。
防犯・防災の面でも、空き家は不安要素になりがちです。
さらに、管理が行き届かない状態が続くと、行政から「特定空家等」や「管理不全空家等」に指定されるおそれもあります。
固定資産税が上がる可能性がある点にも注意
「特定空家等」や「管理不全空家等」に指定され、市区町村長から勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が受けられなくなります。
住宅用地の固定資産税は、200平方メートル以下の部分は課税標準が6分の1に軽減される仕組みです。
200平方メートルを超える部分についても、3分の1に軽減されています。
勧告を受けてこの特例から外れると、翌年度から固定資産税の負担が大きく増える可能性があります。
国土交通省の資料でも、この措置は空き家の除却や適正な管理を促すための制度として説明されています。
「まだ大丈夫」と先延ばしにしている間に、こうした通知が届くケースもあります。
早めに方針を決めておくと安心です。
空き家の片付けにかかる費用相場
空き家の片付け費用は、部屋数や荷物の量によって大きく変わります。
目安として、ワンルームや1K程度であれば3万円から10万円前後が多いようです。
2DKから2LDK程度になると、10万円から30万円程度が一つの目安になります。
一戸建て全体となると、20万円から60万円程度かかることも珍しくありません。
金額は間取りだけでなく、荷物の量や搬出のしやすさ、処分の難しさによっても変わります。
家財の片付けにとどまらず、建物の解体まで行う場合は、別途100万円前後からの費用がかかるのが一般的です。
あくまで目安のため、正確な金額は見積もりを取って確認することをおすすめします。
自分たちで片付ける方法と業者に依頼する方法
荷物の量が少なく、時間に余裕がある場合は、自治体の粗大ごみや一般ごみの回収を使って自分たちで片付けることもできます。
ただし、遠方に住んでいる場合や、荷物の量が多い場合は、何度も通う負担が大きくなります。
業者に依頼すれば、仕分けから搬出、処分までまとめて任せられるという利点があります。
体力的な負担や、実家に何度も足を運ぶ時間を減らしたい場合には、業者への依頼が現実的な選択肢になります。
業者選びで確認しておきたいこと
家庭から出る不用品やごみの収集・運搬には、廃棄物処理法に基づく「一般廃棄物処理業の許可」、または市区町村からの委託が必要です。
国民生活センターにも、無許可の業者とのトラブルに関する相談が寄せられています。
「トラック詰め放題」という広告を見て依頼したのに、当日になって条件を制限されたという事例も報告されています。
見積もりの金額と、実際の請求額が大きく異なったという相談も見られます。
こうしたトラブルを避けるためにも、契約前に許可の有無を確認しておくと安心です。
自治体のホームページで、許可を受けた業者の一覧を確認できる場合もあります。
見積もりを取るときに確認しておきたいこと
見積もりを依頼する際は、追加料金が発生する条件をあらかじめ確認しておくと安心です。
荷物の量が当日変わった場合の対応や、キャンセル料の有無も聞いておくとよいでしょう。
訪問見積もりと写真見積もりのどちらに対応しているかは、業者によって異なります。
部屋の中を見られることに抵抗がある場合は、写真見積もりに対応している業者を選ぶという方法もあります。
複数の業者から料金や対応内容を比較したい場合は、一括見積もりサービスを利用すると、1件ずつ問い合わせる手間を減らせます。
空き家バンクや補助金という選択肢
空き家バンクは、自治体が空き家の所有者と利用希望者をつなぐための制度です。
片付けを終えた家を売却・賃貸したい場合に、登録しておくと情報を広く届けやすくなります。
登録の条件や手数料の有無は、自治体によって異なります。
自治体によっては、空き家の片付けや解体にかかる費用の一部を補助する制度を設けているところもあります。
補助金の条件として、空き家バンクへの登録を求めている自治体もあるようです。
制度の内容や金額は自治体ごとに異なるため、実家がある市区町村の窓口で確認してみるとよいでしょう。
一人で抱え込まなくても大丈夫
実家の片付けが進まないことに、負い目を感じる必要はありません。
仕事や家庭の事情で時間が取れないのは、誰にでも起こりうることです。
まずは荷物の量やおおよその状態を業者に伝え、見積もりを取るところから始めてみるのも一つの方法です。
無理のない範囲で、少しずつ方針を決めていければ十分です。


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