遺品整理を業者に依頼しようと調べていると、「遺品整理士」という言葉を目にすることがあります。
中には、この資格を持つ業者でなければ頼んではいけないと感じる方もいるかもしれません。
大切な人の遺品と向き合う作業は、気持ちの整理も必要な負担の大きいものです。
業者選びで戸惑うことが少しでも減るよう、資格に関する情報を整理してみました。
遺品整理士の資格がどのようなものか、そして資格の有無より確認しておきたい点を紹介します。
遺品整理士の資格がなくても、法律違反にはなりません
まず知っておきたいのは、遺品整理士という資格自体に法的な強制力はないという点です。
つまり、資格を持たない業者が遺品整理を行うことも、法律上は問題なく認められています。
そのため、遺品整理士の資格を持たない業者に依頼すること自体は、違法にはあたりません。
「資格がない=怪しい業者」と単純に判断してしまうのは、少し早計かもしれません。
遺品整理士とはどのような資格なのか
遺品整理士は、一般財団法人遺品整理士認定協会が認定している民間資格です。
通信講座を受講したうえでレポートを提出し、審査に通れば認定されます。
合格率はおよそ65%とされており、誰でも簡単に取得できるわけではないようです。
認定後も2年ごとに更新が必要で、知識を保ち続ける仕組みになっています。
遺族の気持ちに配慮しながら遺品を扱う姿勢を学べる点が、この資格の特徴です。
資格の有無だけで、業者の良し悪しを決めつけないことも大切です
資格を取得していても、対応が丁寧とは限らない業者も存在します。
逆に、資格を持っていなくても、誠実に対応してくれる業者もたくさんあります。
資格の有無は、あくまで判断材料のひとつとして考えておくとよさそうです。
資格よりも確認しておきたい3つの許可
遺品整理士の資格よりも先に確認しておきたいのが、法律で定められた許可の有無です。
主に関係してくるのは、次の3つの許可になります。
一般廃棄物収集運搬業の許可
遺品整理で出た不用品を回収し、運搬や処分をするには、この許可が必要です。
廃棄物処理法により、家庭から出るごみの収集運搬は市区町村の許可制とされています。
ただし、近年は新規の許可がほとんど発行されていない自治体も多いようです。
そのため、許可を持つ業者と提携して回収を行っている遺品整理業者も少なくありません。
契約前に「回収した不用品はどのように処分されるのか」を確認しておくと安心です。
古物商許可(買い取りを希望する場合)
遺品の中に、価値のありそうな品物が含まれていることもあります。
業者がそうした品物を買い取り、転売して利益を得るには古物商許可が必要です。
古物営業法に基づき、営業所を管轄する都道府県公安委員会から交付される許可です。
無許可で買い取りを行うと、3年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になり得ます。
買い取りもあわせて依頼したい場合は、古物商許可の有無を確認しておきましょう。
産業廃棄物収集運搬業の許可(解体を伴う場合)
空き家の解体まで依頼する場合は、また別の許可が関わってきます。
解体工事で出る廃材などは、産業廃棄物として扱われるのが一般的です。
この場合は、産業廃棄物収集運搬業の許可を持つ業者が対応する必要があります。
許可の有無は、どうやって確認すればいい?
会社のホームページに、許可番号が記載されているかを確認する方法があります。
記載がない場合は、問い合わせの際に許可証の提示をお願いしても失礼にはあたりません。
きちんとした業者であれば、許可証の提示や許可番号の案内に応じてくれるはずです。
実際に起きているトラブルから学ぶ注意点
国民生活センターにも、遺品整理サービスに関する相談が寄せられています。
相談件数は2013年度の73件から、2017年度には105件まで増えました。
「見積もりの際にせかされて契約した」という声が報告されています。
契約後にキャンセルすると、高額な料金を請求されたという事例も見られます。
「処分しないでほしいと伝えていた物を、勝手に処分された」という相談もあります。
見積もり時の金額より、最終的な請求額が大きく上回ったという相談も届いています。
こうしたトラブルを避けるためにも、契約前にしっかり確認しておくと安心です。
契約前に確認しておきたいこと
まず、作業内容と料金の内訳を、契約前に書面で確認しておきましょう。
キャンセルをする場合の条件や、キャンセル料の有無も聞いておくと安心です。
「処分してほしくないもの」は、事前にはっきり伝えておくことをおすすめします。
可能であれば、複数の業者から見積もりを取り、内容を比較してみてください。
複数の業者から料金を比較したい場合は、無料の一括見積もりサービスを利用すると手間を減らせます。
焦って契約せず、比べて選べる余裕を持つことが、後悔を防ぐことにつながります。
遺品整理士の資格は、業者を選ぶうえでの参考にはなりますが、それがすべてではありません。
許可の有無や、担当者とのやり取りの丁寧さも含めて、総合的に判断してみてください。
納得できる形で遺品と向き合える業者に出会えることを願っています。


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